銀河系の彼方にある機械の星、惑星セイバートロン。この星では、「トランスフォーマー」と呼ばれる超ロボット生命体が、平和な生活を営んでいた。
かつてこの星のロボット達は、「クインテッサ星人」と呼ばれる異星人に支配され、虐げられてきた。ある日ロボット達は、クインテッサ星人達に反旗を翻し、長い戦いの末勝利した。長い平和の中でセイバートロン星は繁栄し、ロボット達は幸福の只中にいた……。
しかし、彼らが栄華を極める中で、セイバートロン星のエネルギーは見る見るうちに減少していった。そしてエネルギーの現象は重大な社会問題に発展する危険性をも秘めてきた。
そんな中、一人の男が立ち上がった。彼の名はメガトロン、兵器として生まれながらも戦いの道を捨て、エネルギー工学の世界で頭角を現してきた若者だ。彼はセイバートロン星のエネルギー問題を大いに憂えており、次世代エネルギーの研究に取り組んでいた。そしてある日、彼は全く未知の、かつ莫大なポテンシャルを秘めたエネルギー物質を発見した。彼はその物質に「エネルゴン」と名づけ、さらに一つの仮説を打ち立てた。
「確証は無いが、エネルゴンは宇宙の至るところに存在するはずである。これを探し出して大量に生産すれば、これからも今までどおり……いや、今まで以上に平和で幸福な生活が得られるはずだ。」
そして彼は、エネルゴン探索のための同志を募った。幸か不幸か、メガトロンの発言力はセイバートロンの中でも相当のものになっており、多くのロボット達が彼のもとに集ったのである。彼の理念に同調する者、野心を秘めこの状況を利用しようとする者、平和に退屈し戦場を求める者、それぞれの思惑を胸に秘めながら……。
そして探索団結成式の日、メガトロンは次のように演説した。
「今このセイバートロン星は、と〜っても重大なエネルギー危機に瀕している。それこそ、今更『省エネしなくっちゃね』といっても無駄なぐらい! そこで我々は、外の宇宙にあると思われる夢のエネルギー、『エネルゴン』をどこかで手に入れ、セイバートロン星にさらなる繁栄と、バラ色の未来を持ってきてあげようではないか! 今日から我々の名前は、セイバートロン星の不幸と絶望を破壊する正義の軍団、『デストロン』だ!」
メガトロンの演説が終わると同時に、会場内に大きな歓声があがった。デストロン軍団の誕生である!
しかし一方で、メガトロン達の行動に不安を感じる者達も大勢いた。中でも、メガトロンの親友・コンボイの不安は相当大きかった。
「……メガトロンの言っている事はいまいち信用できない。第一、何を言っても二言目には『宇宙征服だ!』と言っていた男だ。彼が本当に我々の生活のことを心配しているとは……」
「彼の悪口をいうのはやめて!」コンボイが独り言を言っていると、一人の女性が割り込んできた。彼女の名はマリア。コンボイの姉であり、メガトロンの恋人でもある。「確かに昔はそうだったわ。でも今は違うわ! 彼はこの星の平和のため戦うことを捨て、みんなのために、がんばって、きたじゃない……」
マリアの言葉からだんだん元気が無くなっていく。彼女もやはり、メガトロンの行動にわずかながら不安を抱いていたのだ。
「じゃあ何で姉さんはデストロンに加わっていないんですか? 姉さんともあろう人がメガトロンのやることに手を貸さないはずが無い! 今の姉さんの態度はメガトロンを信用していない証拠だ!」
「……」コンボイの激しい口調に、マリアは言葉を失った。
そしてコンボイたちの不安は現実のものとなった。外宇宙での行動を開始したデストロンの行動は日に日に強引になっていき、彼らは単なる略奪者になっていった。長い間デストロンの行動を黙認し続けたコンボイ達もこの状況に危機感を覚え、遂に行動を開始した。
「もはや今のデストロンはただの暴徒でしかない! このまま奴らの暴走を放っておけば、近い将来、我々にもしわ寄せがきてしまう! そうなる前に! 我々が奴らの暴走を止めなければならない!」
反デストロン勢力はコンボイを中心に終結し、サイバトロン軍団を結成した。こうして、正義のサイバトロンと、悪のデストロンとの長い戦いの火蓋が、切って落とされたのだ!
「メガトロン! お前のやり方は間違っている!」
「なにをぬかすかコンボイ! 俺様の理想を解からんすっとこどっこいめっ!」
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